北茨城市・墓守の山桜の今

2024年6月世話人SUさん撮影
ひたち巨樹の会世話人のSUさんから、県下最大級の墓守のヤマザクラが枯れ始めていると情報をいただきました。昨年あたりからおかしいなと思いはじめ、今回確認に行ったところ、サクラ周辺の墓石の周りが整地され砂利が敷き詰められていたそうです。また、そこには草ひとつ生えていないとのことから、除草剤が撒かれた可能性もあるのではないかと思います。

写真を見る限り、半分以上の枝に葉がついていません。砂利によって根回りの水捌けが良くなりすぎて、サクラが水を吸い上げられなくなったのかもしれません。サクラは環境が変わると一気に枯れます。県内でも似たような事例をいくつか見てきました。もちろん今回のケースでそれが原因だとは断定はできません。病気等の例もあるかもしれませんので。

サクラの場所の記載は避けますが、こういった墓地の一本桜は、現代における一般的な「花見」の対象にはなっていません。文字通りお墓を守るサクラであり、昔は周辺地域の農作業の暦にもなってきたであろう、地元の人々のみが知る慈しみのサクラであります。明治以降の爆発的なソメイヨシノ流通が起こるまでは、里にはヤマザクラやヒガンザクラが植えられてきたのです。このヤマザクラは丘の上の墓地に位置しており、満開時に展開する葉芽が黄土色で花は純白。墓地全体に枝を広げ、存在感のある一本桜です。2019年にSUさんから教えていただき、私も満開風景を撮影できました。あの時の感動がよみがえります。
2019年4月会員SA撮影

古木の衰退は止められません。こういった古木に目を向け、記録をしてきたひたち巨樹の会、そして名桜の経過を気にするSUさんの活動に敬意を表するとともに、やはり記録の大切さというものを強く感じた次第であります。(会員SA)